スウェーデンに住むこと。②Fintech 〜電子決済〜
日本に帰ってきて。
クレジットカードやデビットカードを使う機会がめっきり消えました。
最近は「キャッシュレス」を掲げた広告を沢山目にします。
販売店向けのクレカに対応した機械や、電車内にあったアプリを使った決済方法。
しかしそれでも未だクレジットカード普及率は2割程度 (19.8%)。
それに比べ、他の先進国はというと
韓国 96.4%
イギリス 68.7%
アメリカ 46.0%
中国 (推定) 60%
データ参考
平成29年度産業経済研究委託事業 我が国におけるFinTech普及に向けた環境整備に関する調査検討 経過報告
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoryu/credit_carddata/pdf/009_03_00.pdf
株式会社野村総合研究所
数字を見ただけで日本の電子決済はまだ発展途上だということがわかるかと思います。
そんな中、スウェーデンのキャッシュレス浸透具合はというと、
野村総合研究所によると2016年時点では51.5%と記載されています。
しかし、「現金使用率」に着目してみると
対名目GDP費1.7%しか現金は出回っていないのです!
日本は19.4%もあります、実に11分の1。
スウェーデン人はどんな生活を送っているのでしょうか…。
今回は二つの決済手段
についてお話ししたいと思います!
Swish
まず、スウェーデン人(私が接したことがある学生やご家族)のほとんどは
『Swish』というアプリを持っています。
これは、日本でいうマイナンバーとLINEが合体したようなものです。
使い方はというと、
個人識別番号をアプリに入力し、自分の電話番号を登録します。
あとは、お金を払いたい相手の電話番号と送金額を入力するだけで自動送金ができるシステムになっています。
残念ながら、滞在1年未満だった私は個人識別番号を貰うことができなかったので、Swishを使ったことはありません。しかし、周りの人が使っている姿はよく目にしました。
一番印象に残っているのは友達でもウプサラ日本人会の人でもなく
路上ライブを行なっているおじさんでした。(笑)
ウプサラ駅のホームをエスカレーターで降りた先でよく路上ライブを行なっているおじさん(おじいさん)がいます。鈴のついた靴を踏みながらアコーディオンを弾いているおじちゃんです。彼の脇にはSwishの番号を書いたダンボール製看板があります。
『Swishを使ってこの番号にチップを送金して!」
ということなのでしょう。
あのおじさんはお金を稼げているのでしょうか?
でも直接チップを箱の中に入れるよりは手軽に且つ周りを気にせず送金できるので便利だなあと思いますね。
こちらの写真は、今年行われたストックホルム桜祭りの様子です。
私はお弁当売りの屋台でボランティアをさせていただきました。
この写真は、お客さんがお弁当を買いに来たのですが好調すぎて全部売れてしまい、次にお弁当が到着するのを待っている状態です(笑)
この中に、Swishの番号が書かれた紙が混じっているのですが、見つけられるでしょうか。
おわかりいただけましたか?
多くの人がこのSwishの番号宛に送金し、送金した画面を私たちに見せて取引を成立させていました。
お財布を持ち歩く必要もなく、お釣りも出ない決済。
一歩上をいく社会だなぁと実感させられる出来事でした。
デビットカード
ある日、スウェーデン南部のSkåne(スコーネ地方)に住む友達の元へ訪れました。日中はカルマル市を観光してまわったのですが、その子の所持品はポケットに入れたiPhoneとiPhoneケース内に入っているデビットカードのみでした。
財布持たないの??それだけ??
というのが正直な感想だったけど、スウェーデンがスマホ(スマホ内の決済アプリ)とカード一枚で過ごせる環境なのだなと改めて思い知らされました。
そして、カードで二人分払ってもらったので現金で割り勘しようとすると案の定断られました。お財布がないから入れるところもないですからね笑。
というわけで、友達とのエピソードを紹介しましたが、
数字に表すと97%の人がデビットカードを持っていると言われています。
日本クレジット協会によると、
クレジットカードの12.5%と比べると相当な割合で使われています。
一方日本のデビットカード決済率はたったの0.2%
クレジットカードは15.7%。
一見日本はクレジットカードについては普及しているように見えますが、
日本の人口はスウェーデンの10倍以上もありますから、人数で考えるとそんなに広まってはいないと考えられます。
III.諸外国のキャッシュレス (カード決済) に関する統計
まとめ
今回の記事では、スウェーデンがキャッシュレス大国だと言われる所以として
日本からスウェーデンを見ると、かなり未来を走っている国のように思えます。もはや"貨幣"経済は終わりを迎えている社会なのです。
ただ、やはりこのシステムを早急に日本に普及させようとしてもできない理由がいくつかあるのも事実だと思います。しっかりと日本の状況にあったサービスが定着すればいいなと思います。
次回はもう少し焦点をウプサラにあてて、 電子決済の話をできたらなと思います。
それでは、Hej då!